「ここにしかない場所」ができるまでには
それぞれの物語がある
project story
01何でも言い合えるチーム
だからこそ、
より質の高い
空間づくりができた。
project member
-
商環境本部
CS部
部長前田 真一
-
商環境本部
CS部 CS二課
課長押尾 智和
-
営業開発本部
設計デザイン部 設計二課
課長代理長岡 仁
函館まるかつ水産 リエール藤沢店
2021年7月から着手し、2022年3月にオープンした設計施工プロジェクト。三井アウトレットパーク横浜ベイサイド店に続く2店舗目の受注だったこともあり、大部分はスムーズに進行し、仕上がりも文句なしの出来でした。空間づくりを細部まで突き詰めることの難しさのなかに、おもしろさも凝縮したプロジェクトでした。
函館のクライアントの既存店舗でのオペレーション視察。
長岡:前回の店舗では「今までにない寿司店を」とのご要望から、洋風なデザインを展開しましたが、今回は立地の特性上、純和風空間のデザインのご要望をいただきました。同じブランドでありながら、異なるデザインを求められた、おもしろみのある案件でした。
前田:また函館にも視察に行っていたよね。
長岡:はい。コロナ禍でのお誘いでしたので、いくタイミングは慎重に検討しながら伺いました。現地では、既存の店舗オペレーションなども確認でき、今回の案件着手に向けて大変に参考になりました。実際にそこで働くスタッフや訪れるお客様のことを想った店舗設計にすることができたと感じています。
押尾:一番こだわったのは、やっぱりあの店舗の入り口のファサード?
長岡:そうですね。海産物を使ったお弁当を扱うテイクアウトコーナーと物販スペースがあり、そのゾーンをより魅力的に見せるために、海や波を連想させるような意匠を施した縦格子のルーバーを設けて、さらにそこに函館の魅力を訴求するサイネージを設置しました。函館のイメージをうまく表現できたスペースになっていると思います。
図面は大切。現場はもっと大切。
押尾:施工管理の立場としては、まずはやっぱり予算との折り合いをうまくつけていく必要があります。限られた予算内で最高の結果を出すことが、この仕事では特に大切なことなので。通常は他社の設計者と協業することが多く、解決しなければいけない事柄が多いのですが、今回は社内だったからすごくスムーズでした。
長岡:そう思います。どんどん本音で話し合えるから案件が前に進みやすいと思いますね。それでも慢心することなく、例えばパーゴラの件で前田部長から連絡をいただいたときは、こちらも身が引き締まる思いでした。
前田:当初の設計では、既存空調設備を隠している天井の囲いをパーゴラにより目立たなくして、かつ店内の物販スペースを店舗の入り口からつながる役割を果たす計画だったね。ただどうしても予算の都合上、パーゴラの設置は取りやめることになって。それで念のため現場を見てみたら、既存の空調設備のダクトを隠すための天井囲いが、思った以上に目立つような気がしました。だから一応の確認のために、長岡さんに連絡した次第です。
押尾:我々施工管理はとにかく現場がありきなので、何かあれば都度現場を確認することは非常に大切ですよね。結局パーゴラの件は長岡さんから「天井と天井囲いを同じクロス材で仕上げることで、よりすっきりとした印象にすることができるからそのままで大丈夫」との説明を聞き、納得したことを覚えています。実際の仕上がりも、天井囲いは全然気になりませんでした。
長岡:図面やパースはどうしても2次元の世界なので、光の当たり方やボリューム感などは現場で見てみるとずいぶん印象が違うこともあります。今回は変更するまでには至らなかったですが、設計から見てもやはり現場で確認することは大切だと再認識しました。
若手が成長するのにちょうどいい案件だった。
長岡:現場の施工管理には若手スタッフもいましたよね。
押尾:成長してもらうのにぴったりの現場だったと思います。今回の現場は自分含め3人で担当しましたが、その若手にリーダーの権限を与えたんです。もう1人のベテランをサポート役にしながら、いろんなことを率先してやらせてあげられたのは大きかったですね。初めてじゃないクライアントだし、社内の人間がまわりに多い案件だったから安心して取り組めたようで、自信をつけた感じはありました。
前田:現場としては最後まで気を抜かなかったのもよかった。例の店舗サインもそうだったように。
長岡:店内と店外両方から見えるようになっている、大きな店舗のロゴマークが微妙に間違っていましたね。たしかに遠目にはそこまでわかるものではなかったので「気付かなかった」で終わっていた可能性もありました。でも、そこはよりよいものを提供したいですし、それでこそお客様の信頼を得られる部分なので、きちんとやり直しました。デザイナーのこだわりとかそんなものではなく、ロゴマークは店舗の情報を訴求する大切な要素ですからね。
押尾:完成後には、店長をはじめスタッフの方々から「すごいね!」といった感想をもらえたことは嬉しかったです。お客様はもちろん、実際に現場で働く方から喜びの声が聞けたことは、我々にとってもすごく励みになります。また施設の方からは「フロアの売り上げがアップした」と言って感謝されたらしいです。内装がきれいに仕上がることはもちろん、店舗が繁盛してくれるのがやっぱり一番嬉しいことなんですよね。
project story
02
「絶対に無理」な
スケジュールを
鮮やかに乗り切った。
project member
-
営業開発本部
設計デザイン部
部長鎌田 貢
-
営業開発本部
設計デザイン部 設計一課
課長星野 俊哉
-
商環境本部
CS部 CS一課
課長新井 修作
-
商環境本部
CS部 CS一課岩﨑 晃義
ピーアーク相模大野
見事競合プレゼンで日商インターライフが勝ち取ったプロジェクト。しかしながら、2021年~翌年にかけて行われたこの案件は、前例がないほどの短期間作業を要求された。この困難を、どう乗り越えたのか。「絶対に無理」と思われた日程を乗り切ったメンバーたちの奮闘をここに記します。
先方のニーズに的確に応えたメリハリデザイン
鎌田:もともと当社とお付き合いがあったお客様でしたが、今回は大型店舗なのでより力を入れたいとのことで、内装デザインの競合プレゼンになりました。結局当社が勝てたのは、やはり先方の好みや重視する部分などを熟知していたのは大きかったと思います。
星野:アミューズメント業界なので煌びやかな内装をイメージしがちですが、今回のお客様は清潔感がある空間を好む傾向があったんです。またヒアリングでは「フロアの中心にいかに人を呼び込むか、そこからいかに2階に誘導できるか」が重要とされました。そのため、目立たせる部分と落ち着かせる部分できちんとメリハリを持たせたデザインが評価されたポイントだと思います。
新井:フロアの真ん中にシンボリックな球体の造作物がドーンと見えるのはインパクトがあるし、気になって見てみたい気持ちも出てくると思うので、まさに先方の要望に応えた設計といったところですね。デジタルサイネージも組み合わせていて純粋にカッコいいですし。
鎌田:予算的にはオーバーだったんですけどね(笑)。ただ、この案件では設計と施工、どちらも当社のチームで挑める体制だったため、うまく調整していける自信はありました。
「壊さず活かす」で、厳しい工期&コストをクリア!
星野:金額はもちろん重要で調整にも力を入れたのは事実ですが、本件は何と言っても時間がないのが一番厳しかったですね。通常であればプラス2ヶ月くらいほしい作業量でしたが、なんとか乗り切ったことが不思議に感じる店内風景です。本当に、最初は「絶対に無理だ」と思っていましたから(笑)。
新井:同意します。ただ、だからこそ「なんとかしてやる!」と気合いが入りましたね。施工的に特に工夫したのは、例えば壊して新たに作る予定だった部分を、そのまま活かして利用することです。具体的には天井、床、壁などの下地をそのままに、表層だけを手掛けることで工期を大きく短縮できました。2階の天井も作ることをせずに、スケルトン仕様に。他にも、シート1つ、タイル1つも細かく工夫していきました。
プレゼン当初のデザイン性を担保しつつ、工期を短縮し、コストも抑えていくことは、ある意味施工管理の腕の見せ所です。下地を活かす部分も、一歩間違えばリスクになるのですが、そのギリギリのラインをうまく見極めてやってみせることを含めてのプロフェッショナルだと思っています。
星野:日商インターライフは職人とのつながりが豊富だから、作業人数をたくさん確保できたところも工期短縮に貢献していましたよね。
岩崎:あと、現場で変更や検討することなどがあれば、設計の方がすぐに駆けつけてくれたので瞬時に調整ができ、工期的にも助かったと感じることは多かったです。
社内チームだからスピーディーに取り組めた。
新井:このプロジェクトは、やっぱり普段からチームとして経験のあるメンバーで挑めたことが最大の成功要因だったと思っています。コミュニケーション1つとっても、遠慮することがないから些細なことでもどんどん報告・連絡・相談をしながら進められました。他社とのやりとりになると最低限かしこまったやりとりは必要ですが、今回は何よりもスピード優先だったので、慣れ親しんだチームで取り組めてよかったですし、今このメンバー全員が「やってやったぞ!」と感じていると思います。
岩崎:私は後輩としてまだまだ学ばなければいけないことが多いのですが、このプロジェクトを経験できたことはものすごく大きかったです。特に工期短縮やコスト削減の面で、どのポイントをどう抑えればいいのかを、身をもって勉強することができました。それに、ここまでの大型案件で最初から最後まで携わることができ、改めて達成感の大きな仕事だと感じることもできました。厳しかったからこそ成長につながった、そんな案件だったように思っています。